本格2WAYスピーカー DENON SC-M41を買ったのでレビューします!

DENON SC-M41 ブックシェルフスピーカーのレビュー

今回はDENONさんの高剛性キャビネットを採用した本格2WAY ブックシェルフスピーカー SC-M41のレビューを皆さんにお届けします。

前回デジタルアンプのレビューでフルレンジスピーカーでこれ以上の音質向上を期待するのは厳しい状況となってしまい、完全に追い込まれてしまった事を皆さんにお伝えしました。

DENON SC-M41のボックス

そうなってくると2WAYの本格パッシブスピーカーがどうしても必要となってきます。

しかし問題はサイズで、2WAYの本格パッシブスピーカーとなるとどうしてもサイズが大きくなってしまい、これ以上大きなサイズのスピーカーを導入してしまうとお酒を飲むスペースが無くなってしまいます。

DENON SC-M41のボックスの中身2

これは大問題で、できれば小型スピーカーの範囲内で抑えておきたかったのですが、そうも言ってはいられない状況ですので、この切羽詰まった状況を何とか打開すべく色々と考えた結果、スピーカースタンドを導入する事にしました。

DENON SC-M41のサランネット

スピーカースタンドを利用すれば狭いパソコン周辺でもある程度大きなスピーカーを設置できますので、このデノンさんのSC-M41を購入したという次第です。

2WAYブックシェルフスピーカー SC-M41 正面

そこで今回はこの本格2WAY ブックシェルフスピーカー SC-M41と、前回に引き続きデジタルアンプ FX-2020A+ CUSTOMの音質を徹底的に検証していきます。

ブックシェルフスピーカー SC-M41の付属品

それでは恒例の付属品のチェックから始めます。

DENON SC-M41のスピーカーケーブル
スピーカーケーブルです。
先端は半田で処理されています。

 

DENON SC-M41に付属の吸音スポンジ
吸音スポンジです。
ダンプトバスレフにする場合に使用します。
これについては後ほど説明します。

 

DENON SC-M41に付属の滑り止めシート
コルク製の滑り止めシートです。

 

DENON SC-M41の取扱説明書
取扱説明書です。

 

DENON SC-M41のセーフティインストラクション
セーフティインストラクションです。

それとサランネットも当然付属しています。

スピーカーケーブルは長さが約2mとかなり余裕がありますので、使用状況に合わせて適度な長さに切って使用すれば良いかと思います。

という事で付属品は全く問題無しです。

SC-M41のスペック

SC-M41の主要スペックを簡単に紹介します。

DENON SC-M41の主要スペック

2.5 cmソフトドームツイーター

12cmペーパーコーンウーハー

最大許容入力60 W(JEITA)、120 W(PEAK)

再生周波数域45 Hz~40 kHz

平均出力音圧レベル83 dB(1 W・1 m)

入力インピーダンス6 Ω

DENON SC-M41のサイズ
サイズはW145 × H238 × D234mmとなっています。
奥行きが23.4cmありますので、テーブルの上に置くのはかなり厳しいです。

 

DENON SC-M41のバスレフダクト
バスレフダクトとスピーカーターミナルです。

 

DENON SC-M41のネットワークサーキット
背面のパネルを外すとネットワークサーキット(フィルター回路)が出てきます。
さすがDENONさんだけあっていい部品を使ってます。
ちなみにクロスオーバー周波数は一般的な3kHzとなっています。

このSC-M41の最大の特徴は何と言っても厚さ15mmの高剛性エンクロージャーにあると言えます。

DENON SC-M41の振動対策
エンクロージャー内部にはサイドの振動を抑える為に梁で補強もしてあります。
振動対策はこれでもかと言うぐらいの徹底ぶりです。

今まで小型スピーカーの剛性不足に悩まされ続けてきた経験から、この超頑強なSC-M41を購入したという次第です。

接続とスピーカースタンド NX-B300

SC-M41とスピーカーケーブルの接続

スピーカーケーブルは付属の物よりも弱冠太目のオーディオテクニカさんのAT-ES1100を使用し、スピーカースタンドはハヤミ工産のNX-B300という製品を同時購入しました。

スピーカースタンド NX-B300の正面

これ値段が安かったので、当初はなんちゃってスピーカースタンドと思い込んでいたのですが、家に届いてビックリです。
「え、これガチなやつじゃん!」
というほどガッチリした造りで、めっちゃ重いです。
なんと重さ1台4kgもあります。

スピーカースタンド NX-B300のサイズ
(組み立て式です)

まさかこんな本格的なスピーカースタンドが送られて来るとは思っていませんでしたのでこれは嬉しい誤算です。

という事で早速スピーカーをセッティングしてみました。

SC-M41とNX-B300
高さ45cmでちょうど良いです。

このクラスのスピーカーの場合はスピーカー間の距離はできるだけ空けてやる必要があります。
写真撮影の都合上この位置にしていますが、実際はもう少し広めに設置しています。
リスニングポジションもあまり近すぎると音像定位が不安定になりますので、スピーカーから1m以上は離れた方が良いです。

スピーカーのセッティングが上手くいけば、まるでパノラマ写真を見ているような広大な音場空間が展開されますので、様々なポジションを試してみる事をおすすめします。

SC-M41の試聴と音質

スピーカーのセッティングが終わった所で早速試聴していきます。
新しいスピーカーを買って初めて音を聴くこの瞬間はもうたまらないです。

しかし今回はもう後が無い崖っぷちですので、気合を入れる為にこちらを用意しました。

DENON SC-M41の試聴のお供
春の彩りいちごパフェです。
近所のファミマで買ってきました。

 

SC-M41の試聴に必須の春の彩りいちごパフェ
背水の陣で臨みます。

それでは前回のリベンジという事でまた「My Coffee Time – 大人のほろ苦カフェブレイク」(96kHz 24bit)のハイレゾ音源から試聴していきます。

My Coffee Time – 大人のほろ苦カフェブレイク(96kHz 24bit)のハイレゾ音源

やはり2wayのパッシブスピーカーだけあって再生レンジはフルレンジとは比較にならないほど広いです。
音質はもう重厚を通り越して超立体3Dサウンドになっちゃってます。
これはすごいです。

この音源をこのスピーカーで聴いているとものすごく気分が良くなってきます。
直接脳にくる音の良さです。

DENON SC-M41のツイーター

ソフトドームツイーターの高音域は割と控え目で思ったほどきつくはなく、キラキラ感もいい感じです。
PCオーディオのような近距離での使用にも全く問題無いです。

 

DENON SC-M41のウーファー

12cmのウーファーはさすがのド迫力で、丸太かよっていうぐらい図太い低音がズドンと出ます。
地面が唸っている感じも十分伝わってきます。
さらにボリュームを上げてもこのエンクロージャーはびくともしないです。

ウーファーとツイーターのバランスも非常に良いです。
ハイパスフィルタのみのアクティブスピーカーと違って、ハイパスとローパスできっちりとツイーターとウーファーに振り分けていますので、妙な違和感を感じる事も無いです。
この辺はもう熟成の極みといった感じで、さすがDENONさんといった所です。

次は192kHz 24ビットのハイレゾ音源「PASSION」を試聴してみます。

192kHz 24ビットのハイレゾ音源「PASSION」

バイオリンのボディーが鳴っている感じが実に良く再現されてます。
小型スピーカーでは弦楽器のこの感じが中々出ないのですが、このSC-M41は弦楽器特有の響きの再現性が非常に高く、芸術的と言ってもいいです。

DSD 11.2MHzもネイティブで聴いてみます。

DSD 11.2MHzのハイレゾ音源

ピアノはもう目の前で弾いているんじゃないの?っていうぐらいのリアルさです。
さらにバイオリンのシャープな音像が浮かび上がってくる感じは本格2WAYスピーカーならではといった所で、USB DAC D10sの解像度の高さをこのSC-M41は見事に再現しています。
実に素晴らしいです。

USB DACの使い方とDSDをネイティブ再生する方法はこちらをご覧下さい。

CDから取り込んだ音源も色々と聴いてみた全体的な印象としてはとにかくパワフルの一言に尽きます。
臨場感は浅からず深からずといった感じで、いかにも日本のオーディオメーカーらしいちょうど良いさじ加減となっています。
もうこのSC-M41は、スピーカーはかくあるべしというお手本の様なスピーカーと言っても過言ではないです。

ちなみにアンプは昔からDENONさんのアンプを使い続けてます。

DENONのプリメインアンプ PMA-390AE

DENONさんのアンプは濃厚でパワフルな独特の音質で、このSC-M41の音質の方向性もほぼ同じ路線と言えます。
分かる人にだけ分かって貰えばそれでいいという、決して世間一般に迎合しないこの我が道を行くDENONさんの本物志向こそが長年オーディオファンに支持され続けている理由ではないかと思います。

自分の場合こういうブログを書いている都合上、日々パソコンの前にいる時間が圧倒的に長いです。
そういう時に気軽に超高音質な音楽を聴けるというのは本当に素晴らしいです。
さらに映画やアニメも超ド迫力で視聴できるようになりましたので、もう日々至福と言ってもいいです。
DENONさんに感謝です。

春の彩りいちごパフェの感想

余談ではありますが、この春の彩りいちごパフェは大変おいしゅうございました。

デジタルアンプ FX-2020A+ CUSTOMの評価

ここで前回持ち越したデジタルアンプ FX-2020A+ CUSTOMを再検証していきます。

デジタルアンプ FX-2020A+ CUSTOMの音質

まずSN比が非常に高いです。
低価格なアンプですと、無音状態でボリュームを上げるとサーっという微妙なノイズが出ますが、このアンプは全くノイズが出ないです。
これは見事です。

前回トーンダイレクトでトーンコントロールをバイパスした場合と、しなかった場合の音質の差がかんすぴではイマイチはっきりしなかったのですが、今回SC-M41を導入した事によってその差がハッキリ出るようになりました。
トーンダイレクトで直接出力した場合は濁りのないクリヤーな音質で非常に良いです。
まあ当然と言ってしまえばそれまでですが、やはりこのレベルのスピーカーでないとその差を認識するのはかなり難しいと言わざるを得ないです。

高域周波数特性は、ハイレゾを再生した時の高音域の解像度の高さから判断するとかなり良いと思います。
さらにドライブ能力も非常に高いです
インピーダンス6Ωのこの強力なSC-M41を見事にドライブしています。
ボリュームを上げると凄まじい迫力ですので、低域のゲインの落ち込みなどは全く感じないです。

今回SC-M41を導入した事によって、このデジタルアンプ FX-2020A+ CUSTOMと、USB DAC D10sの性能を共に十分発揮させる事が出来ましたので、ここに付け加えさせて頂きます。

バスレフ方式について(吸音スポンジの使い方)

それではSC-M41の付属品で紹介した吸音スポンジの使い方を説明していきます。

一般的なスピーカーではフロントバスレフかリアバスレフが採用されている事は皆さんも良く御存知の事かと思いますが、一口にバスレフ方式と言っても実に様々な方式が存在します。

一昔前のスピーカーでは内部に複雑な構造を持つバスレフ方式もありましたが、コストが掛かる割にさほど大きな効果が得られないという事で最近はほとんど見かけなくなりました。(バックロードホーン型スピーカーでは現在でも採用されています)

それに対してこのような吸音スポンジなどをバスレフダクトに詰めるやり方はダンプトバスレフと呼ばれる方式で、ごく一部のスピーカーで採用されています。

DENON SC-M41の吸音スポンジの使い方
(このようにバスレフダクトに詰めて使用します)

こうする事によってスピーカー内部で音が乱反射して生じるノイズを吸収しつつ、圧力は外部に逃す事ができますので、十分な低音を確保しながらスッキリとした透明感のある音質が得られるようになります。
(こういうのを囲師必闕と言います)

パッシブラジエター方式もダンプトバスレフと考え方はほぼ同じと言ってもいいです。

ただし注意すべき点もあります。

確かにダンプトバスレフ方式にすれば音質が良くなる事は事実ではありますが、やり過ぎるとウーファーの動きが制限されてしまい、低音が出なくなる、音が歪む、ウーファーとツイーターの位相のズレが大きくなるといった問題が生じ、極端に音質が悪化してしまう可能性も出て来ます。

それゆえダンプトバスレフ方式は、完璧に音質を調整できる上級者向けの諸刃の剣とも言うべきテクニックですので、必ず付属の吸音スポンジを使用し、他の物で代用するのはやめた方がいいです。

付属の吸音スポンジは一見すると頼りない感じがしますが、これだけで十分な効果が得られますので、どのように音質が変化するのか自分の耳で確かめてみる事をおすすめします。
(ダンプトバスレフの感じ方にも個人差がありますので、効果があまり感じられないという方は無理して使う必要はないです)

まとめ

DENON SC-M41のレビューのまとめ

今回DENONさんの2WAYスピーカー SC-M41を導入した事によってPCオーディオとしては少々大袈裟になってしまいましたが、ついにPCオーディオを遥かに超える超高音質を達成する事ができました。
もう高級オーディオシステムと比較してもなんら遜色無いレベルの音質と言っても過言ではないです。

やはり本気で高音質を追求するのであればこのクラスのスピーカーが必要というのが今回の結論ではありますが、一番のネックはこのサイズのスピーカーをパソコン周辺に置けるかどうかです。

自分が一番悩んだのもこのサイズの問題でしたが、このSC-M41はピュアオーディオ入門用のスピーカーとしても最適ですし、オーディオ上級者の方であれば超高音質化も十分可能な至極の逸品ですので、もし置けるだけのスペースがあるのであれば即購入する事をおすすめします。

という事でまた次回もお楽しみに!



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