![かんすぴP800-EとFF85WKのレビューと作り方](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/fostex_p800-e_ff85wk_review.jpg)
今回はFOSTEXさんのかんすぴスピーカーシリーズP800-Eと、フルレンジスピーカーユニット FF85WKのレビューを皆さんにお届けします。
今まではパソコン用に小型アクティブスピーカーを長年使用してきたのですが、さらに高音質化するにはアクティブスピーカーではもはや限界ですので、やはりオーディオ専用のパッシブスピーカーがどうしても必要となってきます。
しかし、自分がいいなと思うオーディオ専用のパッシブスピーカーは大体サイズが大きく、パソコン用に使用できるような物がほとんど無いというのが現状です。
(オーディオ専用に使用しているダイヤトーンのDS200ZXでは大き過ぎてパソコン用には不向きです)
もう無いのであれば作るしかないという事で、前々から気になっていたFOSTEXさんのかんすぴシリーズのスピーカーボックス P800-EとフルレンジスピーカーユニットFF85WKを利用してスピーカーを自作する事にしたという次第です。
自作するといってもかんすぴのスピーカーボックスは半完成品ですので、スピーカーユニットを取り付けるだけで誰でも簡単に本格的なオーディオスピーカーが自作できるようになっています。
そこで今回はFOSTEXさんのスピーカーボックス P800-EとフルレンジスピーカーユニットFF85WKの具体的な取り付け方法の解説と併せてその音質を徹底的に検証していきます。
さらに恒例の年末スペシャルも併せて今年もメガ盛りで皆さんにお届けします。
かんすぴ スピーカーボックス P800-E
まずはスピーカーボックス P800-Eから見ていきます。
サイズはW100mm H200mm D148mmで、バッフル穴寸法Φ73mmとなっています。
見た目はなかなか良いです。
内部の吸音材は右側と上には無いです。
不満のある方は家電量販店やホームセンターで同様の吸音材は手に入りますので、自分で貼り付けるというのも有りかと思います。
この辺がカスタムスピーカーの面白い所でもあります。
板厚は9mmで、このサイズのスピーカーボックスとしてはかなり堅牢なつくりとなっています。
スピーカーユニットとの接続用ケーブルです。
十分な長さがありますので接続は簡単に行えるようになっています。
バスレフダクトです。
素材はよく分かりませんがパルプっぽいです。
底面のクッションです。
マニュアルと付属のネジです。
8cm フルレンジスピーカー FF85WK
まずなぜこの8cm フルレンジスピーカー FF85WKを選んだのかと言いますと、他に三つほど候補はあったのですが、このFF85WKは周波数特性が非常にフラットであるという事と、カタログスペックの高域再生周波数は28kHzとなっていますが、周波数特性のグラフをみる限りでは高域再生周波数の限界は50kHz近くまで伸びていますので、ハイレゾ音源の再生にもある程度対応可能であろうと判断したからです。
しかしそうは言ってもスピーカーは実際買ってみてある程度聴き込んでみなければ音質は分かりませんので、これはもう試してみるしかないという事でこのFF85WKを購入したというわけです。
FF85WKの外観です。
作りは非常に丁寧で高級感があります。
センターにはFF85WKの最大の特徴とも言うべきアルミリッジドームが見えます。
インピーダンスは8Ωで最大入力は15Wとなっています。
端子は金メッキ仕様です。
付属のパッキンです。
付属のネジとワッシャーです。
英語版と日本語版の取り扱い説明書です。
こちらはエンクロージャーを自作する場合の制作例と、2wayあるいは3wayで使用する場合のフィルターのサンプル回路が掲載されていますので、完全自作派の方には役に立つかと思います。
かんすぴ P800-Eの作り方
それでは具体的にスピーカーボックスP800-EとFF85WKの取り付け方法をみていきます。
スピーカーボックスにマジックでネジの位置をマーキングします。
ネジを半分ぐらいねじ込みます。
一旦ネジを抜いて出っ張った部分をカッターでそぎ落とします。
これは簡単に取れますが、怪我をしないよう十分注意して行う様にして下さい。
スピーカーの端子にケーブルを接続します。
赤いマークの付いている方に赤いケーブルを差し込みます。
ファストン端子ですので差し込むだけでOKです。
付属のパッキンをスピーカーボックスにセットします。
後はワッシャーを付けてネジを締め込めば完成です!
めっちゃ簡単です。
小型アンプ AK370
当然の事ではありますが、かんすぴはパッシブスピーカーですのでアンプが必要となります。
そこでAK-370という旧ソ連のアソルトライフルのような名前の小型アンプも同時購入しました。
なぜこのAK-370を購入したのかと言いますと、出力が20Wx2となっていますのでかんすぴ用にちょうど良いという事と、ブルートゥースオーディオの音質を試してみたかったからです。
それではAK-370を見ていきます。
箱を開けるとまた箱が出てきます。
名前は忘れてしまいましたがこういうロシヤの人形ってありますよね。
永遠に箱を開け続けるのかと少々不安になりましたが、やっと本体が出てきました。
TREBLE とBASSのトーンコントロール付きです。
このAK-370は低価格であるにも関わらず非常に多機能で、USBメモリーとSDカードが使用可能となっています。
ブルートゥースにも対応しています。
FM用のアンテナも付いています。
さらにこのAK-370にはFMチューナーも内蔵されてはいますが、自分の住んでいる地域で受信できるのはワイドFM 1局のみで、基本的に日本のFM放送は受信できないです。
これはなぜかと言いますと、日本のFMの周波数帯域が76~90MHzであるのに対して製造元の中国のFMは87.5~108MHzになっているのが原因ですので、これは致し方無しといった所です。
そもそもラジオを聞く為に購入した訳ではありませんのでこれに関してはモーマンタイです。
ACアダプターも付属しています。
ACアダプター用の電源コードです。
取扱説明書は日本語対応となっていますが、ブルートゥースの使い方は英語となっていますので後ほど説明します。
リモコンも付属で電池も入ってました。
これ意外と便利です。
パソコンとの接続
それでは早速スピーカーとアンプ、パソコンを接続していきます。
パソコンとの接続に関しては今更説明する必要も無いとは思いますが、一応説明しておきます。
オーディオケーブルとスピーカーケーブルは付属していませんので自分で用意する必要があります。
まず上の写真のような3.5mmステレオミニプラグタイプのオーディオケーブルをパソコンのヘッドホン端子か、ライン出力端子に接続します。
ブルートゥース接続だけでいいという方はオーディオケーブルは必要無いです。
次にスピーカーとアンプをスピーカーケーブルで接続します。
スピーカーケーブルはあまり太過ぎるとコネクターに接続できなくなりますので、メーター500円程度の物で十分です。
後はオーディオケーブルとACアダプターをアンプに接続すればセッティング完了です。
ボリュームを回せば電源ONとなります。
パソコンの設定
セッティングが完了したところで今度はパソコンの設定をしていきますのでパソコンの設定画面を開きます。
システムを選択します。
サウンドを選択します。
関連設定のサウンドコントロールパネルを選択します。
再生タブのスピーカーをクリックしてプロパティをクリックします。
詳細タブを開き、サンプルレートとビット深度の最大値を選択します。
排他モードの両方にチェックを入れ、適用、OKをクリックすればパソコンの設定は完了です。
パソコンとブルートゥース接続する方法
それではパソコンとアンプをブルートゥース接続してスピーカーで音を出す方法を見ていきます。
まずアンプのモード切替ボタンを押してブルートゥースモードの「bLUE」を選択してからパソコン右下のアイコンをクリックしてアクションセンターを開きます。
アクションセンターのBluetoothをクリックして下のブルートゥースのアイコンをクリックします。
「Bluetoothデバイスの追加」をクリックします。
「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」をクリックします。
「Bluetooth」をクリックします。
すると「BT オーディオ」と出て来ますのでクリックします。
「完了を」をクリックすればパソコンとアンプがブルートゥース接続されます。
これでパソコンの音声はブルートゥース経由でスピーカーから出る様になります。
パソコンとアンプの距離が離れている場合や、パソコン周りの配線をスッキリさせたい方にはブルートゥース接続がおすすめかと思います。
スマホとブルートゥース接続する方法
では次にスマホとアンプをブルートゥース接続する方法を見ていきます。
まずパソコン同様にAK-370をブルートゥースモードに切り替えてからスマホの設定画面を開きます。
「接続済みのデバイス」を選択します。
「新しいデバイスとペア設定する」をタップします。
するとBTと出て来ますのでそれをタップします。
「ペア設定する」をタップします。
これでスマホの音声はスピーカーから出るようになります
完成したかんすぴの試聴
それでは今回もMusic Centerで試聴していきますのでMusic Centerの設定も行っていきます。
まずMusic Centerを起動してスピーカーのアイコンをクリックします。
WASAPI排他のスピーカーを選択します。
(イコライザーで音質調整をしたい方はDirectSoundを選択して下さい)
設定アイコンをクリックします。
手動設定を選択して量子化ビット数とサンプリング周波数の所でパソコンのDACの最大変換レートを選択します。
(先ほどパソコンで設定したサンプルレートとビット深度がパソコンのDACの最大値です)
DSEE HXをオンにします。
Music Centerの詳しい使い方はこちらをご覧ください。
これでMusic Centerの設定はOKですので早速完成したスピーカーを試聴していきます。
ジャーニーを聴いてみます。
めっちゃ懐かしいです。
ミドルレンジがものすごく重厚で低音はパワフルな感じです。
小型スピーカーとは思えない迫力があります。
CDから取り込んだ音源とハイレゾ音源を色々と聞いてみた印象としては、中低音でグイグイ押してくる奈良公園の鹿タイプといった感じです。
特に洋楽ロック系とジャズ系との相性が非常に良く、洋楽ロック系はメタリックな重戦車という表現がぴったりで、聴き応えは十分です。
ブルートゥースの音質も非常に良好で、特にノイズ等もなく有線とほとんど変わらないです。
次はYouTubeを試聴してみます。
アクティブスピーカーからパッシブスピーカーのかんすぴに切り替えて一番驚いたのがYouTubeの音質です。
「えっ、これ本当にYouTube?」
って言うぐらい音質は格段に良くなりました。
アクティブスピーカーで動画や映画を視聴すると、人の声が聴き取りづらく効果音はやたらと大きな感じのいわゆるドンシャリ状態でしたので、常にボリュームやトーンコントロールの調整をしながら視聴していました。
それに対してこのかんすぴは人の声がハッキリクリアーに聞こえますので、動画や映画をストレス無く視聴できるようになったというのは誠に嬉しい限りです。
これは恐らくウーファーとツイーターの音の干渉が無くなった事と、ウーファーの口径が大きくなった事によってミドルレンジの音をリアルに再現できるようになったからではないかと思います。
このスピーカーを聴き始めた当初は、やはり高域が弱いなという印象だったのですが、一週間ほど聞き込んでみると意外な事に実に緻密で解像度の高い高音が出る様になってきました。
2wayのような取って付けたようなキンキンする高音ではなく非常に繊細で綺麗な高音ですので、長時間聴いていても全く疲れる事もなくこれは非常に良いです。
2wayの小型アクティブスピーカーの場合、再生レンジは広くて良いのですが、大体適当なフィルター回路が使用されていますので、ウーファーとツイーターの位相のズレやクロスオーバー周波数による音かぶりといった問題が顕著に出て来ます。
これが音の輪郭のボヤケや濁りとなって全体的にクリアーでリアルな音質が中々得られない原因となっています。
それに対してフルレンジスピーカーの場合はそういった問題が一切ありませんので、全体を通して極めてクリヤーでリアルな音の再現が可能となりますが、再生レンジの狭さがネックとなります。
逆に言えばフルレンジスピーカーの場合、再生レンジを拡大できれば最強のスピーカーに成りえると言えます。
そこでこの考えを基に実際に再生レンジを拡大したフルレンジスピーカーがFOSTEXさんのこのFFシリーズです。
実際に試聴してみるとミドルレンジの音のリアルさと重厚さはもう見事と言ってもいいです。
まさかこのような小型カスタムスピーカーでここまで本格的なオーディオサウンドが聴けるとは思ってもいませんでしたので、このFF85WKを選択したのは大正解でした。
しかしこういった個々の楽器の音をガツンと聴かせる押しの強いサウンドは、外国人やオーディオマニアの方々には確実にうける音質であるとは思いますが、全体的な雰囲気や臨場感を重視する日本の世間一般にうけるかどうかは弱冠疑問は残ります。
まあ、あれこれ言ったところでスピーカーの音質というのは中々伝わりませんので、実際に試聴してみるのが一番良いのですが、こういったカスタムスピーカーを試聴するというのは現実的にはほぼ無理です。
しかし、浅めの臨場感に重厚なミドルレンジとパワフルな低音というのは、アメリカのJBLというメーカーのスピーカーとほぼ同じ方向性ですので、オーディオマニアの方であればこれだけでFF85WKの音質の傾向はおおよその見当は付くかと思います。
いまいちピンと来ないという方は、大手の家電量販店やオーディオ専門ショップであればJBLのスピーカーは大体試聴可能ですので、5万円以上クラスのJBLのスピーカーの音を実際に聴いてみればFF85WKの音質の方向性は概ね理解して頂けるのではないかと思います。
年末スペシャル! 忍者の年末
それでは今年も恒例の年末スペシャルを開催いたします。
今年の鍋はこちらです。
![ズワイガニとカキの海鮮鍋](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_01.jpg)
ズワイガニと牡蠣の海鮮鍋です。
奇跡のコラボです。
![カセットコンロに点火](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_02.jpg)
早速点火します。
![出来上がったズワイガニとカキの海鮮鍋](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_03.jpg)
あっという間に完成です!
今年のお刺身はこちらです。
![高知県産の養殖ブリ](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/buri_01.jpg)
高知県産のブリです。
天然ではありませんが、かなり立派なブリでしたので購入しました。
![高知県産のブリの刺身](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/buri_02.jpg)
脂のノリはすごいです。
やはり年末年始は誰が何と言おうとブリです。
![ブリの刺身と冷えたビール](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_04.jpg)
準備が整ったところでビールで乾杯です!
早速高知県産のブリから頂いていきます。
![ワサビ醬油とブリの刺身](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_05.jpg)
脂のノリ方はハンパないです。
なめたらいかんぜよって言うぐらいうまいです。
脂ののったブリ刺しとビールの相性はもう最高です。
![ズワイガニとカキ](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_06.jpg)
それではズワイガニとカキも頂いてみます。
もう、うまいという言葉しか出てこないです。
自分で言うのも何ですが今回の鍋は絶品です。
![椎茸](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_07.jpg)
シイタケも頂きます。
これだけでお酒飲めます。
![豆腐と白菜](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_08.jpg)
白菜も物凄くおいしいです。
白菜って普段あまりおいしいと思う事はないのですが、鍋になると妙な実力発揮しますよね。
これ不思議です。
![ズワイガニ](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_09.jpg)
それでは本格的にズワイガニを攻略していきます。
もうウマ過ぎです。
ズワイガニは絶対輸出禁止にすべきだと思います。
![松竹梅 山田錦](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_10.jpg)
ここで主力の松竹梅 山田錦を投入します。
![海鮮鍋と山田錦](https://sumaholab.com/wp-content/uploads/2020/12/kani-kakinabe_11.jpg)
もうわけが分からないぐらい気分は最高です。
今年も自分がやれる事は精一杯やり尽くしましたので大満足です。
まとめ
今年は何とかパソコンの音質を良くしようという事で色々と試してきたわけですが、小型スピーカーだけは中々思い通りの結果が得られず正直言って行き詰っていました。
しかし今回FOSTEXさんのかんすぴを導入した事によってやっとパソコンでも本格的なオーディオサウンドが聴けるようになった事は非常に大きな成果だったと言えます。
パソコン用にちょうど良いサイズの小型パッシブスピーカーがほとんど無いという状況で、FOSTEXさんの「かんすぴシリーズ」は、自分でスピーカーを取り付ける手間はかかりますが、たったこれだけでパソコンで気軽に高級オーディオ並みの高音質で毎日音楽が聴けるというのは本当に有難いです。
このかんすぴシリーズは価格も手頃でその気になれば誰にでも簡単に作れますし、本格オーディオ入門用のスピーカーとしても最適ですので、既存のアクティブスピーカーではもはや満足できないという方は、このかんすぴスピーカーボックス P800-Eとフルレンジスピーカー FF85WKを試してみる事をおすすめします。
それでは皆さん良いお年を!
という事でまた来年もお楽しみに!
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