今回はNikonさんのフルサイズデジタル一眼レフカメラ D750とAF-S Nikkor 24-120mmのレンズキットの実機レビューを皆さんにお届けします。
まず、なぜこのNikon D750 24-120mmレンズキットを購入したのかと言いますと、今までAPS-Cと呼ばれる中型のイメージセンサーを使用したデジタル一眼レフ(EOS Kiss X9)で撮影していたのですが、我が家の薄暗い室内でこれ以上の高画質を望むのであれば、APS-Cより感度の高いフルサイズのデジタル一眼レフを導入する他に道は無しという結論に達しました。
(APS-CのEOS Kiss X9をゼロ戦とするならば、フルサイズのNikon D750はグラマンF6Fヘルキャットに相当すると言った方が一番分かり易いかと思います)
それに加えて、いつかはフルサイズのデジタル一眼レフを購入しようと考えていたのですが、近々消費税を上げるという幕府の非情なお達しにより、これは急がねばミッドウェー海戦の二の舞になるという事で、あれこれ迷った挙句、デジタル一眼レフの中でも非常に感度の高いイメージセンサーを採用しているにも関わらず、価格も手頃でコスパに優れたNikon D750 レンズキットを消費税が上がる前に何とか滑り込みセーフで手に入れたという訳です。
そこで今回はフルサイズのデジタル一眼レフ Nikon D750の性能はどれ程のものなのか、その実力と画質を徹底的に検証していこうと思います。
それではNikon D750 24-120mmレンズキットの実機レビューを始めます!
Nikon D750 24-120mmレンズキットの付属品のチェック!
という事で恒例の付属品のチェックをしていきます。
箱はかなり大きいです。
こちらはレンズキットですので、AF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズも一緒に入ってます。
左上から、バッテリー、専用充電器、レンズ用巾着袋、アイピースキャップ、USBケーブル、充電器用パーツ、ストラップとなってます。
バッテリーとアイピースキャップです。
充電器がちょっと変わってまして、二つの部品を合体して使用するようになってます。
レンズフードも入ってました。
AF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VR用のレンズポーチです。
Nikon D750専用ストラップです。
D750のマニュアルです。辞書かよっていうぐらい分厚いです。
こちらはAF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズ用のマニュアルです。
ニッコールクラブの会員を募集しているそうです。
という事で付属品は全く問題無しです。
Nikon D750のボディーをチェック!
続いてはD750のボディーをチェックしていきます。
表面がブツブツしていますが、汚れている訳ではなくこういうデザインです。
本体の質量は750gで、バッテリーとSDカード込みで840gとなります。フルサイズのデジタル一眼レフカメラの中では軽い方です。
ボディーはモノコック構造で、新素材やマグネシウム合金等が使用されているそうです。
光学ファインダーはアイレベル式ペンタプリズム採用で、ファインダー視野率は約100%を実現しています。
親指オートフォーカスで撮影したい方は、AE-L/AF-Lボタンをオートフォーカスに割り当てる事で親指オートフォーカスは可能となります。場所的にもちょうどいい場所にありますので、実際親指オートフォーカスはすごくやり易いです。
背面の液晶モニターは3.2型、約122.9万ドットのチルトタイプの液晶モニターが採用されています。バリアングル液晶ほど自由度は無いですが、ローアングルやハイアングルの撮影に対応できるようになっています。
この液晶モニターは、同価格帯のデジタル一眼レフカメラの中でも画面が大きくて見やすく非常に綺麗です。
ミラーです。
ミラーアップした状態です。ローパスフィルターが見えてます。
イメージセンサーの正確なサイズは35.9×24.0mmで、有効画素数2432万画素の非常に感度の高いコントラストAF型のCMOSイメージセンサーが採用されています。
このNikon D750を購入した最大の理由は、このイメージセンサーが目当てと言っても過言ではないです。
AF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズもチェック!
このAF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズはかなりデカいです。開けてビックリです。
砲弾?
写真ではこのゴツさはなかなか伝わらないかと思いますが、とにかくデカいです。
重さは何と710gで、ボディーと同じぐらいの重さがあります。
ボディーと合わせるとトータルで約1.6kgぐらいになりますので、写真撮影しながら筋トレもできる優れモノです。
デカいデカいばかり言っていたのではレビューになりませんので、このレンズについて簡単に説明します。
このAF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズは、焦点距離が24 ~ 120mmで、ニコンさんの方では標準ズームレンズという事になってます。
特徴としてはズームしてもF値が変わらない、いわゆるF4通しとなっていますので、ズームしても暗くならないちょっとお得なレンズと言えます。
AF-Sというのは、オートフォーカスにSWM(サイレントウェーブモーター)と呼ばれる超音波モーターが使用されている事を意味しています。
VRはバイブレーション リダクションの略で手ぶれ補正機構付きを表してます。
レンズにはナノクリスタルコートと呼ばれる反射防止効果の高いコーティングが施されてまして、ゴーストやフレアーの低減効果が高いそうです。
マニュアルオートフォーカスにも対応していますので、オートフォーカスモードでもマニュアルでピントの微調整ができるようになっています。
Nikon D750の操作性は?
という事で、早速レンズをボディーにはめようとしたのですが、これが中々はまらないです。
えっ、何ではまんないの?と思いながら何度も試してみたのですが、全くレンズが回転しないです。
何なんこのカメラ? と思いながらガチャガチャやっている内に、もしかしてと思い、逆に回してみたら見事にはまりました。
NikonさんとCanonさんは様々な点で逆になっているという事は、コルトとS&W(スミスアンドウェッソン)同様、世界的に有名な話なのですが、まさかレンズをはめる方向まで逆とは思いませんでしたので、これには正直一番驚かされました。
(ズームアップするとかなり伸びます)
普通、ネジを締める時は時計回りに回すのが世界の常識なのですが、Nikonさんに言わせれば
「常識に囚われるな」
という事なのだと思います。
かなり手強いです。
撮影モードの切り替えは一般的なダイヤル式となっています。下の方のダイヤルはレリーズモードダイヤルで、これを切り替える事によってシングルと連写の切り替え、さらに連写速度の切り替えも可能となっています。
連写速度は一秒間に最大6.5枚で、ファインダー撮影での連写はすごくいい感じです。
このミラーを跳ね上げながら高速で連写する感覚は、コンデジやミラーレスでは決して味わう事が出来ないデジタル一眼レフならではの醍醐味と言えます。
(この表示パネルでカメラの設定状況が簡易的に分かるようになっています)
次は背面のチルト式液晶モニターなのですが、開くと下の様になります。
自分の場合はたまにローアングルで撮影する事もありますので、これは役に立ちそうです。
SDカードに関しては、SDXC対応で、UHS-Iにも対応しています。さらにSDカードが2枚使用できるダブルカードスロットにもなっていますので、SDカード好きにはたまらないです。
SDカードはSanDisk の Ultra PLUS SDHC 32GB UHS-Ⅰ CLASS10 を同時購入しましたので、早速セットしてみました。
(サンディスクのウルトラプラスはUHS-Ⅰ対応で最大80MB/sの高速データ転送が可能となっています)
SanDiskのSDカードも全く問題無しです。
(付属のUSBケーブルを接続してデータ転送してます。専用ソフトのNikon Transfer2を利用すればデータ転送は簡単です)
AF-S Nikkor 24-120mmレンズの注意点
このNikkor 24-120mmレンズにはいくつか注意点がありますので、その対処方法をまとめてみました。
AF-S Nikkor 24-120mm VRレンズの周辺減光
このAF-S Nikkor 24-120mm f/4G ED VRレンズは周辺減光が弱冠出ます。
D750にはヴィネットコントロールという周辺減光を抑える機能がありますので、これである程度は解消できますが、それでも微妙に残ります。
対策としては、イメージセンサーの撮像範囲を狭める事によって対応できます。
D750はイメージセンサーの撮像範囲を3段階で変更可能となってますので、撮像範囲を30X20に変更すれば、周辺減光部分を完全に除去して撮影できるようになります。
一般的にレンズというのは中心から端に行くほど解像度が低下していきますので、解像度が低く画質の悪い周辺部を切り取って画質の良い部分だけを写真にするというのが一番合理的な方法と言えます。
しかしながら、イメージセンサーの約30%を斬って捨てる事になりますので、それをもったいないと考えるか、天使の分け前と考えるかは使う人の度量次第かと思います。
まあNikonさんに言わせれば
「エビのしっぽを無理して食べるな」
という事なのだと思います。
AF-S Nikkor 24-120mm VRレンズの最短撮影距離
このNikkor 24-120mmレンズの最短撮影距離は45cmとなっていますので、あまり寄って撮影する事はできないです。
室内撮影がメインの方はちょっと考えた方が良いかもです。
屋外での撮影では非常に使い勝手は良いので、屋外撮影がメインの方には向いているのではないかと思います。
レンズに関しては、人それぞれ好みがありますし、自分の撮影目的に合ったレンズを購入すべきですので、特にこのレンズにこだわる必要は無いと思います。
自分の気に入ったレンズに交換できるというのがデジタル一眼レフの最大のメリットですので、そのメリットは最大限活かすべきかと思います。
オートフォーカスのノイズ
このレンズにはSWM(サイレントウェーブモーター)という超音波モーターが使用されているのですが、言うほどサイレントではないです。手ぶれ補正のVRもカタカタ音がしますので、Canonさんのデジタル一眼レフを使っている方は相当戸惑うと思います。
(一応念のため言っておきますが、この手ぶれ補正のVRの効きはいいです)
写真を撮る場合はいくらノイズがしても問題無いのですが、D750で動画も撮影しようと考えているのであれば、動画の音声にノイズが入らないように別売りのマイク等を使用する事をおすすめします。
しかしこれもNikonさんに言わせれば
「些細な事を気にするな」
という事なのだと思います。
Nikon D750 24-120mmレンズキットって実際どうなの?
ここまで読んできた方は、このNikon D750 24-120mmレンズキットって大丈夫なのか? と不安になっている方もいるかと思いますので、実際に撮影した写真をお見せします。
Nikon D750 24-120mmの写真の画質
今回はNikon流で写真を撮ってみましたのでご覧ください。
(今回も画像編集ソフトによる画質加工は一切行わず、サイズを縮小して貼り付けるだけにしてあります)
(絞り:F4 シャッター速度:1/800 ISO感度400 WB:太陽光)
D750はとにかく色がいいです。
(絞り:F4 シャッター速度:1/125 ISO感度100 WB:太陽光)
ズームレンズにしては意外と解像度は高いと思います。
(絞り:F5 シャッター速度:1/1000 ISO感度800 WB:太陽光)
とにかくフルサイズのボケはハンパないです。関西人かよっていうぐらいボケますので、弱冠絞ってボケ過ぎないように抑えてます。
(絞り:F5 シャッター速度:1/1250 ISO感度800 WB:太陽光)
まさかの珍客到来です!
(絞り:F8 シャッター速度:1/800 ISO感度640 WB:太陽光)
質感がすごいです。
(絞り:F5.6 シャッター速度:1/800 ISO感度640 WB:太陽光)
実りの秋、食欲の秋です。
(絞り:F11 シャッター速度:1/80 ISO感度6400 WB:蛍光灯4)
見ての通りプリンです。撮影後おいしく頂きました。
Nikon D750でフラッシュ撮影!
D750を買う前は、カメラに付いているフラッシュは大して役に立たないただの飾りだと思っていたのですが、このNikon D750の内蔵フラッシュはかなり性能がいいです。
D750にはフラッシュ撮影時の調光方式が数種類あるのですが、その中でi-TTL-BL調光というのを試してみました。
マニュアルを読むと、このi-TTL-BL調光というのは、被写体と周りの背景の明るさを解析して最適なフラッシュ発光量で明るさのバランスのとれた写真撮影が可能と書かれています。
まあそこまで言うのであれば、うちの薄暗い室内照明の補助光としてフラッシュ撮影してみようじゃないのという事で撮影したのが下の写真です。
これフラッシュ使って撮影したと言っても信じてもらえないですよね?
通常フラッシュを使用して撮影すると色が白っぽくなったり、部分的に妙に明る過ぎて白飛びしたり、いかにもフラッシュ使いました的な写真になってしまうのですが、このi-TTL-BL調光は、フラッシュ撮影時のそういった不自然さがほとんど無いです。
実に絶妙です。
まさかフラッシュを使ってこんなに色が綺麗に出るとは思っていませんでしたので、これにはちょっとショックを受けました。
正直な話、内臓フラッシュには全く期待していませんでしたので、何かすごく得した気分です。
Nikon D750の評価は?
実際にNikon D750で撮影した感想としては、写真は実にナチュラルで、色がすごくいいです。
プリンの写真は夜間室内でISO感度6400で撮影したのですが、拡大しても色ノイズや輝度ノイズはほとんど見られず、画質加工する必要性は全く無かったです。
Nikon D750 レンズキットのレビューのまとめ
古来より名馬に癖ありなどと申しますが、このNikon D750は正にその例え通りのカメラだと思います。
世の中には扱い易くてそこそこ綺麗な写真が撮れるカメラはいくらでもありますが、このNikon D750はそういったカメラとは真逆のカメラで、ただ写真の画質だけを追求した今時珍しいカメラと言えます。
それゆえ弱冠扱いづらい部分もあり、初めてデジタル一眼レフを購入するという方にはあまりおすすめはできないです。
こういった癖のある高性能なカメラを扱うには技量よりもむしろ度量の方が必要になってきますので、些細な事にこだわっているようではこのD750を扱うのは少々厳しいかと思います。
多少厄介な点はあっても、いい写真を撮りたいという方にだけおすすめします。
という事でまた次回もお楽しみに!
Nikon D750レンズキットを使用する上でとりあえず必要になる物をまとめました。
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